悪魔の手毬唄

世の中には、名作といわれているわけではなく、観て感動したわけでもなくても、何回か観てしまう映画というものがあるように思う。 私にとっては、この作品もその一つである。 ご存知と言うべきか、石坂浩二の金田一耕助シリーズである。 そもそも、この作品…

 「わたし」の人生 我が命のタンゴ

2012年の日本映画である。 何ともタイトルと映画の中身が違うといえば言えなくもない。 最初はダンスの映画か恋愛映画と思った。ダンスは主役ではない。老いと家族をテーマの映画である。 暗闇にも思われる認知症介護。そこに一つでも小さな灯りをともすかも…

天使の分け前

2012年、イギリス、フランス、ベルギー、イタリアの合作映画。 原題はThe Angels’ Share ちょっと心温まるお話。ちょっとドキドキさせて、ちょっとニヤリとする。辛口なコメディーである。 マッサンで話題になったウィスキーの醸造についても出てくる。 ロビ…

海の上のバルコニー

2010年のフランス映画。 幼なじみというものは特別な感情があるものらしい。それは、年齢がどれほど重ねられても忘れられないものなの,むしろ年を取ればさらに加速していくものらしい。 さらに、少年期に家庭の事情による別れでも経験した相手なんぞであれば…

黒いスーツを着た男

2012年のフランス映画。 原題はTrois mondes。三つの世界という意味だそうです。 アランはま10日後に社長の令嬢との結婚を控えている。 会社の友人とバカ騒ぎをした際に一人の男性を自動車ではねてしまう。 友人たちの勧めに乗ったアランは男性を事故現場に…

真珠の耳飾りの少女

2003年のイギリス映画。ルクセンブルクと合作です。 17世紀オランダの画家であるフェルメールの作品『真珠の耳飾りの少女』からの着想で書かれた小説の映画化だそうです。 原題はGirl with a Pearl Earring。 この映画はこの絵画のモデルとなった少女につい…

ロリータ

1962年のイギリス映画。 霧の日に、荒廃した建物に入ってきた男が一人の男を殺すところから映画は始まる。 監督はあのスタンリー・キューブリック。 殺す男、ハンバート・ハンバートをジェームズ・メイソンが演じている。 この人、『北北西に進路を取れ』や…

ケープタウン

2013年のフランスの映画。 舞台は現代の南アフリカ共和国のケープタウン。 原題はZulu。南アフリカの民族のズール人のことである。 物語は二人の刑事を中心に展開する。 ブライアンとアリである。 ブライアンは父親がアパルトヘイト賛同者であったため、家を…

シャンボンの背中

2009年のフランス映画。 原題はMademoiselle Chambon 舞台はフランスの田舎町。 そこに暮らす普通の夫婦、ジャンとアンヌ・マリー。彼らには一人息子がいる。 最初のシーンは家族そろってのピクニック。 ここで、この夫婦が上流階級でなく、インテリでもない…

青春パート2

1979年のATG映画である。1979年という時代はイラン革命、サッチャーさんが首相になり、ソ連がアフガンに侵攻した年。舞台は佐世保。街の主要産業である造船が不況となっていた。それは、この映画にも影を落としている。主人公の有馬は高校生である。…

無宿(やどなし)

1974年公開の映画である。映画を作る人達には、男の友情というテーマが最重要テーマなのかもしれない。 男と女の愛や家族愛などよりも思い入れがあるのかもしれない。 「そんなことはない。男と女の愛を描くほうがの圧倒的に多い。」 そう反論されるだろう。…

野性の証明

1979年の映画である。 人に定めというものがあるとすれば、味沢(高倉健)が自衛隊に入ったときから、長井頼子(薬師丸ひろ子)の面倒をみることは運命づけられていることになる。 頼子の住む村で大量殺戮が起こった。頼子の両親は殺され、村で、頼子だけが…

招かれざる客

1967年のアメリカ映画です。 1967年という年は7月23日にデトロイトで黒人暴動が起こっている。 そんな時代の出来事であった。 ある日、白人夫婦の娘が恋人を連れて帰って来る。恋人は黒人である。 「父も母もわかってくれる。」 娘は信じている。恋人は不安…

女子ーズ

2014年公開の桐谷美玲主演の映画です。 監督は福田雄一さん。この人『勇者ヨシヒコと魔王の城』というテレビドラマを撮っています。というわけで、このドラマを思い出させるようなシーンが多くあります。桐谷さんたちが演ずる女子ーズが怪人と戦うシーン。佐…

暗黒街最後の日

1962年の東映の作品です。鶴田浩二さん、高倉健さん、三国連太郎さん、丹波哲郎さんらが出演しています。関東の組織同士の抗争。関東と関西のだまし合い。組織と警察の対立。これらの組織がハデに撃ち合うシーンが見もの。 予告編をみると、「ハイウエイにぶ…

暗黒街最大の決斗

これは1963年の東映の作品。鶴田浩二さんが主演です。高倉健さんは鶴田さんの弟役。義兄弟ではなく本当の弟。 予告編の文句を書くと、「ダイナミックなスケール」「ギャング路線 断然快調」「非情な組織に唸り飛ぶ貪欲の拳銃」「ギャング映画の最高峰」「明…

博打打ち外伝

TSUTAYAの高倉健さんコーナーにあるDVDが全部借りられていたので、鶴田浩二さんの主演で高倉健さんが共演しているものを借りました。 早速、「博打打ち外伝」という映画を観ました。この映画、鶴田、高倉の二人だけでなく菅原文太さん、松方弘樹さん、伊…

『夜叉』

個人的にこの連休は高倉健さんの追悼です。 今日は『夜叉』を観ました。この映画、高倉さんのほかに、ビートたけしさん、田中裕子さん、大滝秀治さんと出演されていて、『あなたへ』に繋がるような映画と思われがちですが、むしろ田中邦衛さん、いしだあゆみ…

『あなたへ』

高倉健さんの遺作でもあり、大滝秀治さんの遺作でもある映画『あなたへ』を観ました。 妻に先立たれ、その妻の遺言で富山から長崎の平戸まで旅する男のロードムービーです。 この映画のロケ現場にNHKが密着していました。大滝さんの演技に感動した高倉さんが…

昭和残侠伝 唐獅子牡丹

先日レンタルした高倉健さんの「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」を観ました。ラストシーンで健さんの背中が語っていたように感じました。「男はつらいよ」シリーズでも渥美清さんが背中で語っていたように思います。 背中の演技は全く違っていますが、語っているこ…

高倉健さん

高倉健さんが亡くなられた。83歳とのこと。鶴田浩二さんも、池部良さんも亡くなられて久しい。なんとなく、高倉さんは永遠に生き続けられるような気がしていました。でも、その日はやって来るのですのね。 今日、高倉さんを偲んで「あなたへ」と「昭和残侠伝…