青春パート2

1979年のATG映画である。

1979年という時代はイラン革命サッチャーさんが首相になり、ソ連がアフガンに侵攻した年。

舞台は佐世保。街の主要産業である造船が不況となっていた。それは、この映画にも影を落としている。

主人公の有馬は高校生である。だが、これが高校生には見えない。最大限譲って大学生にみえる。

一本気な性格である。したがって、人とぶつかったり、誤解されたりする。

その彼が挫折しながらも競輪選手になり、壁にぶつかりながらも人生を切り開いてゆく物語である。

と書くと、壮大な映画のように思えるが、そんなことはない。感動的でもない。

主人公の生き方に賛同できるかと言えば、「NO」である。

映画として面白いかと言えば無理がある。ぐんぐんのめり込んでいける映画ではない。と思う。

詰まらないかと言えばそれほどひどいわけでもない。それなりに見所もある。

少なくともあの時代を生きてきた人間にとっては、ある種の懐かしさもある。

出演者にも、あの頃を感じさせる人がいる。

あの時代を知らない人にとって面白いとは思えない。

携帯電話もパソコンもない時代の映画であり、でも、ちょっと頑張れば車を手に入れることができた時代。

そんな時代の映画である。

この映画に舟木一夫が塾の講師役で出演しているが、彼が計算尺を使って計算しているのが妙に懐かしい。