ロリータ

1962年のイギリス映画。

霧の日に、荒廃した建物に入ってきた男が一人の男を殺すところから映画は始まる。

監督はあのスタンリー・キューブリック

殺す男、ハンバート・ハンバートをジェームズ・メイソンが演じている。

この人、『北北西に進路を取れ』やジュディー・ガーランド版の『スタア誕生』などに出演しているイギリスの俳優さん。

一方、殺される側の人はクレア・キルティ。名優ピーター・セラーズが演じている。この人は、あの『ピンク・パンサー』シリーズのクルーゾー警部や『チャンス』に出演している。これまたイギリスの俳優。

さて、なぜ殺す殺されるの関係が二人の男の間で成り立ったのか。それがハンバートの回想によって明らかになっていく。

ハンバートはアメリカの田舎町で下宿先を探していた。下宿先候補の一つにある未亡人の家があった。この未亡人の名はシャーロット・ヘイズ。彼女がハンバートの恋の対象ではない。そのシャーロットの娘ロリータにハンバートは心を奪われてしまう。

ロリータのそばにいたいために、シャーロットの家に下宿し、シャーロットと結婚までする。

こうして、ハンバートは破滅の一歩を踏み出す。

シャーロット・ヘイズを演じるのはシェリー・ウィンタース。この人『ポセイドン・アドベンチャー』で元水泳選手の中年婦人を演じていました。このときは相思相愛の旦那さんがいました。この人はアメリカで主に活動した女優さん。

話をもとに戻すと、いろいろあって、シャーロットが死んでしまう。ハンバートはおおっぴらにロリータを独占しようとする。若い女性に心を奪われた中年男。まさに、一種の狂気の世界に入って行く。

この過程において、殺される男であるクレア・キルティがちらちらと登場する。

この人とっても怪しい人だが、この役をピーター・セラーズはうまく演じている。

心理学者に化けてハンバートに会うシーンではクルーゾー警部が変装しているかと思ってしまった。

結局、ハンバートはロリータに翻弄され、最後にはキルティを殺すことになってしまう。

中年男が若い女性に恋すると、熱い思いよりも哀れさを大きく感じてしまうのは、こんな結末になることがあるからだろうか。