暗黒街最後の日

1962年の東映の作品です。鶴田浩二さん、高倉健さん、三国連太郎さん、丹波哲郎さんらが出演しています。関東の組織同士の抗争。関東と関西のだまし合い。組織と警察の対立。これらの組織がハデに撃ち合うシーンが見もの。
予告編をみると、「ハイウエイにぶっ放す 凶弾の嵐」「うら切り 狂乱! 密告! 虐殺!」「友情裂く暴力組織の掟」「鶴田 三國 迫真の対決」「豪快なタッチで描く」「度肝抜く ハイ・アクション 」「このスケール この迫力!」「これがギャング映画!!」
まあ、スゴい言葉が並びます。これ、ギャング映画の幕の内弁当とでも言えそうな映画です。
三國、鶴田で昼間から二人で観覧車に乗ります。男二人が並んで掛けているので、窮屈そうで微笑ましい。まあ、男二人が観覧車に乗るといえば、「第三の男」が思い出されます。

暗黒街最大の決斗

これは1963年の東映の作品。鶴田浩二さんが主演です。高倉健さんは鶴田さんの弟役。義兄弟ではなく本当の弟。
予告編の文句を書くと、「ダイナミックなスケール」「ギャング路線 断然快調」「非情な組織に唸り飛ぶ貪欲の拳銃」「ギャング映画の最高峰」「明日なき男の執念が爆発する」「冷酷東映ギャング団」「暗黒街の賭博場を舞台に やくざ 愚連隊 外国ギャングが激突する」「命知らずの男対男」「大東映が勝負するギャングスター総出演」「ギャング組織 その中にも 恋と友情と兄弟愛は 生きていた」「日本映画史上未見聞 最大のスケール 最高のサスペンス」「血が血を呼び 銃弾は銃弾を呼ぶ  拳銃の嵐」「空前の野心的アクションドラマ」「大東映が放つ超怒級娯楽大作」
本編と予告編の内容にはちょっとズレがあるようです。それはさておき、個人的に面白かったのは鶴田さんのセリフです。
「ご時世が違うんだ。…いくら威張ったてご時世に取り残されていくヤクザじゃないか。」
後年、テレビドラマ「男たちの旅路」で時代の変化への対応を拒否し、戦争を引きずる男を演じていた人のセリフというところが面白いかったです。
また、高倉健さんが他人から「その顔つきじゃ、また愚痴だな」と言われているのが新鮮です。

博打打ち外伝

TSUTAYA高倉健さんコーナーにあるDVDが全部借りられていたので、鶴田浩二さんの主演で高倉健さんが共演しているものを借りました。
早速、「博打打ち外伝」という映画を観ました。この映画、鶴田、高倉の二人だけでなく菅原文太さん、松方弘樹さん、伊吹五郎さんといった面々が出演しています。
この映画の予告編の文句がスゴいです。
東映がオールスターキャストで贈る 任侠鉄火の花道 博打打ち外伝」「跡目をめぐって命を的に 生き抜く男の群像」「誠一字をつらぬく やくざ渡世のあばれ獅子」「任侠一筋」「義理か恩義か 二つに一つ」「切って切れない友情が燃え 男と男のエネルギーが爆発する」「犯してならない しがらみが重く 男命の任侠道」「どうせ死ぬのも…どうせ散るのも‥承知の上」「浮世の中の意地を描いて謳う男の魂」「任侠映画の決定版」
まさに男心が男に惚れてといった感じの映画です。
この映画では高倉健さんが死んで布団の上に横たわっているシーンが観れます。

『夜叉』

個人的にこの連休は高倉健さんの追悼です。
今日は『夜叉』を観ました。この映画、高倉さんのほかに、ビートたけしさん、田中裕子さん、大滝秀治さんと出演されていて、『あなたへ』に繋がるような映画と思われがちですが、むしろ田中邦衛さん、いしだあゆみさん、小林稔侍さん、寺田農さんと出演されているので、『駅 station』に近い映画のように思います。
高倉健さんの映画として観始めたのですが、いしだあゆみさんの笑顔がとても綺麗で印象に残りました。

『あなたへ』

高倉健さんの遺作でもあり、大滝秀治さんの遺作でもある映画『あなたへ』を観ました。
妻に先立たれ、その妻の遺言で富山から長崎の平戸まで旅する男のロードムービーです。
この映画のロケ現場にNHKが密着していました。大滝さんの演技に感動した高倉さんが涙ぐんでいました。台本を読んだときに陳腐とも思えたセリフが、役者がしゃべることで、役者が演じている人間の人生を感じさせることができる。そんな大滝さんの演技の迫力に感じるものがあったようです。
高倉健さんの晩年を語るのに欠かせない映画だと思います。

昭和残侠伝 唐獅子牡丹

先日レンタルした高倉健さんの「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」を観ました。ラストシーンで健さんの背中が語っていたように感じました。「男はつらいよ」シリーズでも渥美清さんが背中で語っていたように思います。
背中の演技は全く違っていますが、語っていることは「私は馬鹿でござんす」といったことかと思います。背中をまっすぐに伸ばす健さん。背中を丸める渥美さん。二人の背中には哀愁、孤独を感じます。
男のやせ我慢が粋に見えた時代。そんなことを思いました。

高倉健さん

高倉健さんが亡くなられた。83歳とのこと。鶴田浩二さんも、池部良さんも亡くなられて久しい。なんとなく、高倉さんは永遠に生き続けられるような気がしていました。でも、その日はやって来るのですのね。
今日、高倉さんを偲んで「あなたへ」と「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」をレンタルしてきました。