野性の証明

1979年の映画である。

人に定めというものがあるとすれば、味沢(高倉健)が自衛隊に入ったときから、長井頼子(薬師丸ひろ子)の面倒をみることは運命づけられていることになる。

頼子の住む村で大量殺戮が起こった。頼子の両親は殺され、村で、頼子だけが生き残った。頼子は殺戮の状況を見ていた。それゆえに、ショックで記憶が消えていた。

一方、この村の近くで自衛隊の特殊部隊が演習をしていた。この部隊に味沢はいる。村の殺戮に味沢はどう関係しているのであろうか。

 

 東北に羽代という町があることになっている。この町は大場という男に牛耳られている。

一年が過ぎた。

この町に味沢は住んでいた。生命保険の調査員をしている。頼子もいっしょである。

保険の調査の関係で大場と繋がっているヤクザの組長とトラブルになった。こうして話はすすんでゆくのだが、映画の見所は何と言っても薬師丸ひろ子の可愛さであろう。

この映画以降、角川映画の顔になっていったのも、何ら不思議がないのである。